文化や太郎 (通訳案内士/日本文化)

経験40年通訳ガイドが通訳案内の情報や通訳案内士希望者へのお手伝い、インバンド、日本文化紹介のコツなどおりおり語ります。

2019-01-01から1年間の記事一覧

ほんまもんの蕎麦

今日は大晦日、年越し蕎麦でお蕎麦屋さんは時代が変われど相変わらず忙しい日だ。この時期に思い出す「お客様」がいる。飛行機が着いてファーストクラスだったこともあり半時間ちょっとで到着階ロビーに米国からの富裕層一家が現れた。「車とガイドだけを用…

チーム・ラボ・ボーダレス森ミュジアム

インバウンドも観光から体験型ツーリズムへ、同様に美術館や博物館も体験型に進化が止まらない。「見せ方」はメッセージの表現として多種多様になり、お客さんの美術館/博物館の選択肢も増えた。 今年何回お客さんを連れて行ったか覚えていないが新しくオー…

日本到着日の観光

早朝に成田空港着、そのまま直ぐに観光を開始するツァーは以前は考えられなかったが最近は増えた。今回は空港から少年少女達と先ずJALスカイミュジアムへ観光開始。 睡眠不足や時差ぼけ、気圧の変化、疲労などが原因で不注意や転倒、忘れ物など小さいお客様…

おまけに 桐紋も!

「紋」にこだわる太郎ですが実はガイドさんには後で「お役にたつ」時もある。 桐紋は現代では日本政府の紋章で首相官邸や500円硬貨にも使われ、お客さんと観光地を歩くと見る機会も多い紋だ。 ガイドが金閣や平等院を案内する定番説明の鳳凰。鳳凰の止まり木…

菊 Vs. 葵

桜と菊とくれば次にガイド必須は徳川家の三つ葉葵(hollyhock trefoil) の家紋だろうか。three leaf clover と易しい表現もあり、お客さんを連れて歩く先々で馴染の家紋だ。松平(徳川)家が崇拝していた京都の賀茂神社の御神紋が葵でデザインされ「三つ葉葵」…

桜 Vs. 菊

話を元に戻す。日本には四季があり季節折々の文化のテーマがあるこの国の豊かさはインバウンドの呼び込みにはありがたい。もっとも地球温暖化の影響で四季が二季になる危機感を温暖化の話と絡ませて話さなければ四季折々の。。。なんてガイドがマニュアル通…

よけいなお世話ですが。。。

よけいなお世話ですが、インフル予防接種なさいましたか?インフル流行が今年は早く年始ぐらいが最初のピークかというニュースもありました。日本のワールドラグビー開催で世界中から多くの人が来て下さりインバウンドはバブルさながらの「様」でしたが残念…

天皇家の菊御紋

「菊」は天皇家の御紋として通訳案内士の就業には必ず話題になる花。日本のパスポートの表紙が菊(御紋とは違うデザイン)なので国の花が菊だと思う人もいるが日本に公式に国の花は決まっていない。一般的には桜か菊ということだろう。 Chrysanthemums were in…

刺身の菊の花

刺身の盛り合わせの黄色い菊がタンポポには見えないとも言えないが(笑) 最近はプラスチック製の黄色い菊が宴会などでは増えた。プラスチック菊とバランをふんだんに使って飾る「刺身の舟盛り」は一種の現代版アートだ。 もちろん、生の食用黄菊は江戸時代に…

FIT, VIPお客様と寿司屋

ワールドカップの後は大嘗祭。大嘗祭関連行事には海外のお客様も感激され帝国、ペニン、パレス、ア・マンホテルなど皇居周辺に宿泊されたお客様は警備の厳しさに新たに日本の皇室に興味を持たれた方々もいたことだろう。太郎のお客は帝国ホテル泊だったが施…

太郎マニュアル(宴の後3.)

先回からの続きです。 6.ググるのが大好きで、人の話を全く聞いていない人達はどこの国にもいます。「バスの出発時間をちゃんと伝えましたよ、」ということをお客さんをバスから降ろす前にお客の正面にきちんと向かい“Attention Please!! ”バス出発時間の確…

太郎マニュアル(宴の後2.)

多くの場合イベント関連者のVIPかPressの添乗通訳案内担当ではなければ、臨時駐車場から当該スタジアム、イベントのためにだけ臨時に建てられた会場や仮設施設と間の移動導線/動線は長くて観客でごった返すことが一般的だ。 常設大型駐車場ではなく臨時駐車…

ワールドラグビー (宴の後1.)

長らくのご無沙汰でした。ラグビーワールドカップの熱狂も落ち着きラグビー関連ツァーの後、過労でダウンした通訳案内士の仲間もいましたがいかがお過ごしですか。 「宴の後」で「宴」就業記録を残しておくことが、来年東京オリンピックでの仕事で導線(and/o…

運転手さん

ガイド就業中の一番の味方は観光バスの運転手さんやハイヤーの運転手さんだ。逆に関係が不味いとツァーもうまくいかなくなる場合がよくある。以前はバスの運転手さんの業界も縦社会で先輩から運行(道、駐車場所他)のコツを学び経験を積んできたが、今は通訳…

トンカツ格差

お客様のタイプによっては 「たかがカツされどカツ」でどこのレストランに連れて行くかは考えたほうがいい。これはカツだけではなくラーメン、蕎麦屋にも言えることだが いわゆるファストフードのチェーン店系を期待して満足する節約レベルから B級グルメに…

とどめは文化や「カツ」太郎(笑)

「喝」「勝」で最後は「カツ」のお話。 通常のレストランへの案内ばかりではない、ひと昔前 B級グルメと言われていたメニューは今 A級グルメに出世、メージャーになった。自由食の案内ではお客様のタイプ(年齢、アレルギー、宗教上の食事制限, 好み他)諸々で…

今夜は 文化や「勝」太郎

文化や「喝」太郎が 文化や「勝」太郎になる時! 前回の「呑んべい」宴会 お開きで テーブルの上の器類全て撤収、ライトOff。続編通訳案内士としての「喝」太郎は 大騒ぎで千鳥足状態のお客様を無事に宿泊先へ連れて帰り ロビーでグダグダするも 何気に 頃合…

文化や「喝」太郎 (呑んべい)

ツァーに出ておりました。今回も「お酒」のお話の続き。「呑んべい」のグループ相手でお店の閉店の時間や 宴会場でのお開きの終了時間が過ぎても More 'sake' please! Bring all 'sake' here, please? グループでグタグタ動かず、あなたならどうしますか。 …

酒KitKatと日本のバッコス(Japanese Bacchus)

日本の元祖「酒神さま」は奈良の大神神社(おおみわじんじゃ)に祀られています。杉玉は近くの三輪山の神が宿る杉の葉を球場に束ねたのが始まりです。また京都の酒造り技能者達が多く住んでいた地区には松尾大社があり 日本最古の「酒造第一祖神」として人気が…

新酒あり〼

先回の写真は 「苔玉」ならぬ「杉玉」(ball made of cedar branches)です。「酒林」と呼ばれる時もあります。 酒屋や酒蔵の軒下に「新酒を搾り始めましたよ〜」とお客に知らせるために杉の葉と小枝で作った杉玉を軒下に吊り下げますが今では街のレストランや…

国産ウイスキー vs. 大吟醸

発酵食品文化の芸術性のトップは勿論 日本酒です。最近は洋食やfusionレストランで も 冷酒 (cold rice wine)を注文するお客様も増えました。富裕層 個人客(FIT:Foreign Independent Tourの略でinbound 用語) の夕食のエスコートでお連れするレストランは前…

たかが傘? 気をつけましょう

紫陽花(hydrangea) が美しい時期です。白から青、ピンク、赤、紫と色々や種類が今日では楽しめます。日本元来の紫陽花は ガクアジサイでした。梅雨の空の下 幻想的な紫陽花に感傷的になる人もいますが、紫陽花で人気がある観光地はどこも混雑しています。 紫…

梅雨のツァーと発酵文化

梅雨空で雨がしとしと降るこの時期、自然豊かな観光地に行く場合 お天気の影響でツァーの雰囲気が今一 のらないことがあります。そういう時に限って迷子がでたりグループがまとまらない時があります。コミュニケーションの‘転がし’で お客様を引き寄せ、全体…

転石苔むさず

先回はminiature cultureの話でしたが 苔玉の「苔」は日本庭園では大切な要素です。 A rolling stone gathers no moss. をどのように解釈するでしょうか? 諺 の「転石苔むさず 」の意味で 商売や住居を変える人はお金が貯まらないとか、苔が生す(むす)ほど…

半導体と幕の内弁当

日本の半導体は 1980年代に高い競争力を誇ったがサムソンなど他国の事業戦略で今日では一見 目立ってはいないようにも見えますが Sonyや村田製作所など日本の半導体製造装置メーカーは頑張っています。‘小さい世界’は頑張っています。 Big is great!' We say…

苔玉は今日の日本縮小文化

Japanese miniature culture 先回の最後に What is this? で 苔玉(mini plant grown in a soil ball covered with moss) を載せました。盆栽(dwarfed potted plant)の説明から入るより若いツーリストには 日本のミニチャーカルチャーの説明の始めとして 苔玉…

海外のお客様の質問に答える(その1.)

Why と Because で答えてみよう 例: Q: What does Tokyo mean? (東京の意味は何ですか?) A: ‘To’ means east and ‘kyo’ capital. (‘To’は東、’kyo’は都を意味します。) ここで どうして eastなのかというお客様の内在的な問い(why)に 京都の都から見たら新…

文化や太郎の「事」始め

これから全国通訳案内士を目指すの皆様や現場で日々奮闘中の現役通訳案内士の皆様への情報提供のお役に立てばと 40年間通訳ガイド生活をもとに、よもやま話「事」始めです。 よろしくお願い申し上げます。