文化や太郎 (通訳案内士/日本文化)

経験40年通訳ガイドが通訳案内の情報や通訳案内士希望者へのお手伝い、インバンド、日本文化紹介のコツなどおりおり語ります。

日光の日暮門と竜宮門

日が暮れるまで見ていても飽きない日暮門とはもちろん東照宮陽明門、そして海の龍宮へ導く門であると言われる竜宮門は日光大猷院の皇嘉門。日暮門が精緻な豪華さの表現なら竜宮門は幽玄と「さび」の表現。この二門の表現は両方が当時の匠達の技、「人工美」の極限といえる。
しかもこの二箇所は樹齢数百年の杉の自然美に囲まれて境内全体の風景として美しく溶け込んでいる。雑談のテーマが尽きることはない。

太郎は順番待ちすることが多く靴を脱いでもらう必要もある「鳴き龍」より案内することも多く、自然美と人工美の対局を融合させる技と美意識は日本人の得意とする分野の一つだろう。例えばあえて野の花を切り取り、器の中に自然を再構築し愛でる文化は「花道」でありまた「華道」でもある。

陽明門(日暮門)

皇嘉門(竜宮門)